【IPO評価】IPOのセカンダリー市場における高値評価と実測値の関係

【IPO評価】IPOのセカンダリー市場における高値を評価しました。

●IPOの高値評価概説

IPOにおいて初値が上昇するのは、初値買いを行うセカンダリー市場狙いの投資家やIPOの抽選に落選した投資家がいるからです。初値買いの投資家は、当日売却や短期保有、あるいは中期保有目的の場合などが考えられます。
初値買いの投資家は、利益が出る可能性があるからこそ初値買いという投資行動をとっているわけですが、実際どの程度の利益とリスクがあるのか気になるところです。
そこで、初値買いを行い高値を見極めて当日売却を行う場合のリスクと利益について分析を行うと共に高値騰落率の評価を行いました。
当サイトでは、IPOにおける高値騰落率を下式で定義します。
高値騰落率=((高値-初値)/初値)*100
初値に対して高値がどの程度上昇しているのかを表します。
※上式の高値は、初値がついた日の値です。

また、高値を見極めて当日売却を行う投資家には、IPOに当選した投資家も含まれます。
IPOに当選した投資家は、初値がついた後も株価が上昇すると判断した場合は、初値では売らず高値で売る可能性もあります。

●IPOの高値騰落率と高値評価の関係

初値で買い高値を見極めた売りは、IPOに落選しても行えると書きましたが、実際に初値買いをして高値で売るとどのくらいの利益が出るのか調べました。
2017年の高値騰落率1位は、今年の2月に上場したレノバで高値騰落率が26.7%になります。2位が安江工務店で23.1%になります。
初値ほど騰落率は高くならないものの、IPOの抽選とは違い購入株数は資金次第のため、利益はIPOに当選した時よりも大きくなる可能性があります。
ただし、IPOに当選しての初値売りよりもリスクが大きくなります。
そこで、リスクを小さくするために、高値の評価を行い高値騰落率との関係を分析しました。
下図が高値騰落率と高値を評価したスコアの関係を表しています。
※2016年からのデータを基に高値騰落率と高値評価の関係図を作成しています。
high-price-2019
高値評価のスコアの増加に伴って、高値騰落率の増加傾向があるように見受けられます。
ただし、高値評価が高スコアの領域でも低い高値騰落率のプロットが見受けられ、高スコアだからといって必ずしも高値が上昇するわけではないというところに注意が必要です。


●IPOの高値売りにおける利益とリスク

IPOにおいて高値で売った際のリスクと利益を調べてみました。
2016年からのデータでは、全てのIPOで初値買いを行い高値売りを行った場合、全体の高値騰落率の平均は8.7%になります。思ったよりも高い数字が出て管理人自身驚いています。
ただし、高値勝率を見てみると59.5%と低い値を示しています。約40%の確率で負けるということです。
この高値勝率と高値騰落率少しでも上げるために、高値評価を行いました。

その結果、高値評価のスコアが9以上では、高値勝率が67.9%となり約8%アップしました。
高値騰落率については11.0%となり、2.3%アップしました。
8点未満では、高値勝率が31.6%、高値騰落率が4.0%と非常に低い数値を示しています。
これらのデータを下表にまとめました。

2016年から通算の高値評価の結果

高値評価 企業数 企業数(高値騰落率5%超) 勝率(%) 高値騰落率平均(%)
全体 262 156 59.5 8.7
9点以上 109 74 67.9 11.0
8点台 96 64 66.7 9.1
8未満 57 18 31.6 4.0

※当サイトでの勝率は、高値騰落率が5%以上のデータを「勝ち」としています。
※高値は、見極めることが非常に難しく、高値丁度で売ることは現実的には困難なものと考えられます。また、高値付近を求めすぎることはリスクの増加を伴います。
※【分析情報のご案内】上場日から2日目で初値がつく場合の高値についても分析しましたのでこちらも併せてご覧ください。

●IPOの高値評価のまとめ

IPOの投資方法として、IPOに当選して初値売りを行う方法とは別に、IPOが上場した際の初値で買い、高値を見極めて売るというIPOの投資方法を分析し評価を行いました。
その結果が以下になります。
・高値評価のスコア増加に伴って高値騰落率の増加傾向も見受けられました。
・高値評価のスコア帯によって、高値勝率及び高値騰落率の平均値に有意差がみられました。
ただし、高スコアの領域で低い高値騰落率のプロットもあるため、この領域は評価方法の見直しが必要になります。今後、高値の評価が改善された場合は情報を更新します。
※高値評価のスコアは、銘柄個別の評価ページにて公開しています。
※高値の評価方法については、現在公開する予定はありません。
※評価方法は、適時更新しています。

初値買いを行い、高値売りを行うことで利益が出るのかどうか、気になっていた方の疑問は解消できたでしょうか。
少しでもお役に立てたならば幸いです。